音量を自由にでき、持ち運びが楽な「電子ピアノ」は、とても手軽で便利な楽器です。
価格帯も比較的安く、シンセサイザーのように色々な種類の音で楽しんだり、フロッピーデスクで遊んだりできます。
しかし、「電子ピアノ」と「ピアノ」は根本的に違う楽器です。
電子ピアノの大きな特徴は「サンプリング録音した音を再生し鳴らしている」ことです。
その結果、「自分の発音した音」と異なる違和感があります。
また、電子ピアノでは、どんなに感情をぶつけて弾いても強弱はつきますが、音色はほとんど変化しません。
音楽をするときに最重要な課題は「音楽の情景や感情を音で表現すること」です。
楽器を幼少の頃より学ぶ一番の特権は「楽器の発音のコントロール」を体で覚えられることではないでしょうか?
その魅力は、「花」と「造花」や、「筆」と「マジック」、「機械式時計」と「クオーツ時計」のように例えられることもあります。
もちろん、機械である「電子ピアノ」と、自然の木材で作られた「ピアノ」では寿命も大きく異なります。
無限に変化できる音色の世界は、自分で発音できる生の楽器だけの特権です。 もし、環境が許されるのであれば、私たち調律師は「ピアノ」をお奨め致します。
・ 電子ピアノ=誰が弾いても同じ音色
・ アコースティックピアノ=弾く人や環境によって音色が変化する
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