■ ずいぶんと狂うピアノの調整
なぜ、こんなにもピアノの調整は狂うのだ! と真剣に悩んでおられる方は多いと思います。
とくに「新品ピアノ」をお持ちの方、「オーバーホール」をしたばかりの方、「旧共産圏またはアジア産」のピアノをお持ちの方です。
共通するのは、木材の不安定さです。
近年のピアノ製造の木材加工で、一部の高級ピアノ以外で「自然乾燥」を行っている工場はありません。
全て短期間での「人工的なシーズ二ング」です。
急激に人工的に水分を抜いた木材は、年月をかけた「自然乾燥に」比べれは、やはり後からの経年変化や狂いが大きく不安定になります。
ピアノがずいぶんと安価になり身近になった代わりなので、やむ負えないのでしょうか・・・。
■ 選択を迫られるとき
「やたらと狂うピアノ」の状況として、調整だけ随分と狂う・・・・ は、あまりありません。
やはり、調律(ピッチが狂い)、整調(タッチが狂い)、整音(音色が狂い)、全体として不安定なのです。
「不安定なピアノ」を、半日もしくは1日の限られた時間で精密に安定させることはとても困難です。
主要コンサートホールやスタジオのピアノは毎日、毎週、少なくても毎月、調律・調整を見て頂けますが、一般家庭や音楽教室では現実的ではありません。
良いピアノはフレキシブルである代わりに経年変化も大きく、逆に安定はしていても退屈なピアノもあります。
お客さまが「好みや」、「譲れないこと」、「気になること」を教えて下されば、調律師は「ピアノを安定させるために最善のプラン」を練ることができます。
正解はなくても、お客さまに幸せを感じて頂ける"選択"ができれば本当に幸せです。
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